歯周病は遺伝するのでしょうか?家族に歯周病がある方へ知ってほしいこと
「親が歯周病だったから、自分も歯周病になりやすいのかな?」
「家族みんな歯ぐきが弱い気がするけれど、これは遺伝なの?」
このように感じたことはありませんか?
歯周病は、歯ぐきの腫れや出血、口臭、歯のぐらつきなどにつながることがある病気です。ご家族に歯周病で悩んでいた方がいると、「自分も同じようになるのでは」と不安になる方もいらっしゃるかもしれません。
結論からいうと、歯周病そのものがそのまま遺伝するわけではありません。
ただし、歯周病にかかりやすい体質や、お口の中の特徴、炎症の起こりやすさなどには、遺伝的な要因が関係する可能性があると考えられています。
今回は、歯周病と遺伝の関係について、患者さまにもわかりやすくご紹介します。
歯周病の主な原因は「プラーク」です
歯周病の一番の原因は、歯に付着するプラークです。
プラークとは、いわゆる歯垢のことで、細菌が集まってできたかたまりです。食べかすそのものではなく、細菌が増えて歯の表面に付着したものと考えるとわかりやすいでしょう。
このプラークが歯と歯ぐきの境目にたまると、歯ぐきに炎症が起こりやすくなります。
最初は歯ぐきが赤く腫れたり、歯みがきのときに出血したりする程度でも、進行すると歯を支える骨に影響が及ぶことがあります。
つまり、歯周病は「遺伝だけ」で起こる病気ではなく、プラークの蓄積や毎日の口腔ケア、生活習慣、全身状態などが関係して起こる病気です。
歯周病そのものが遺伝するわけではありません
「親が歯周病だから、子どもも必ず歯周病になる」ということはありません。
歯周病は、親から子へそのまま受け継がれる病気ではなく、プラークや歯周病菌、歯みがきの状態、歯科検診の習慣、喫煙、糖尿病などの全身状態、ストレス、食生活など、さまざまな要因が重なって起こります。
そのため、ご家族に歯周病の方がいるからといって、必ず同じように歯周病が進行するわけではありません。
反対に、家族に歯周病の方がいないからといって、絶対に安心というわけでもありません。
大切なのは、「遺伝かどうか」だけで判断するのではなく、今のお口の状態を知り、早めに予防することです。
遺伝する可能性があるのは「歯周病になりやすい体質」
歯周病そのものが遺伝するわけではありませんが、歯周病にかかりやすい体質には遺伝的な要因が関係する可能性があります。
たとえば、同じようにプラークが付いていても、歯ぐきの炎症が強く出やすい方もいれば、比較的進行しにくい方もいます。
これは、歯周病菌に対する体の反応や、炎症の起こりやすさ、歯ぐきや歯を支える組織の状態などが、人によって異なるためと考えられています。
つまり、遺伝的な要因が関係するとしても、それは「歯周病が必ず遺伝する」という意味ではなく、歯周病になりやすい傾向がある場合があるということです。
家族で歯周病が多い場合、生活習慣が似ていることもあります
「家族みんな歯周病になりやすい」と感じる場合、遺伝だけでなく、生活習慣が似ていることも関係している可能性があります。
家族は、食事の内容や間食の習慣、歯みがきのタイミング、歯科医院に通う頻度などが似やすいものです。
たとえば、甘い飲み物をよく飲む、だらだら食べをしやすい、寝る前の歯みがきが不十分になりやすい、歯科検診を受ける習慣が少ない、といった生活習慣が家族内で共通していることがあります。
また、歯並びや噛み合わせ、唾液の性質、歯ぐきの形など、お口の中の特徴が似ていることもあります。
そのため、家族に歯周病の方がいる場合は、「遺伝だから仕方ない」と考えるのではなく、家族で口腔ケアの習慣を見直すきっかけにすることが大切です。
ごくまれに遺伝性要因が関係する特殊なケースもあります
一般的な歯周病は、遺伝だけで起こる病気ではありません。
ただし、ごくまれに、遺伝性の要因が関係するとされる特殊な歯ぐきの病気や、歯周組織に影響を与える病気があります。
たとえば、歯ぐきが大きく増殖する病気や、若い年齢で歯周病が急速に進行しやすいタイプでは、体質や免疫の反応、遺伝的な背景が関係している可能性が指摘されることがあります。
もちろん、こうしたケースは非常に限られており、一般的な歯周病とは分けて考える必要があります。
しかし、次のような場合は、自己判断せずに歯科医院で相談することをおすすめします。
・まだ若いのに歯ぐきが腫れやすい
・歯みがきをしているのに歯周病が進みやすい
・家族に若い頃から歯を失った人がいる
・歯ぐきが大きく腫れたり、増殖したように見える
・歯がぐらつく、歯と歯の間にすき間ができてきた
こうした症状がある場合は、歯周病以外の要因が関係していることもあるため、早めに確認することが大切です。
遺伝子診断により研究が進んでいます
近年では、遺伝子診断などにより、歯周病になりやすい人、なりにくい人がいるのかについて、科学的に少しずつ研究が進んでいます。
歯周病は、歯周病菌だけでなく、体の免疫反応や炎症の起こり方も関係する病気です。
そのため、どのような体質の方が歯周病を発症しやすいのか、どのような方が進行しやすいのかを知ることは、今後の予防歯科において大切なテーマの1つです。
ただし、遺伝子診断だけで歯周病の将来がすべて決まるわけではありません。
たとえ歯周病にかかりやすい傾向があるとしても、毎日の歯みがき、歯間ブラシやフロスの使用、歯科医院でのクリーニング、生活習慣の見直しによって、歯周病のリスクを減らすことは期待できます。
大切なのは、自分のリスクを知り、早めに対策することです。
家族に歯周病の方がいる場合に意識したいこと
ご家族に歯周病で悩んでいた方がいる場合、ご自身も少し早めに歯ぐきの状態を確認しておくと安心です。
特に、次のような変化がある場合は注意が必要です。
・歯ぐきから血が出る
・歯ぐきが腫れやすい
・口臭が気になる
・歯が浮いたように感じる
・歯と歯の間に物がはさまりやすい
・歯ぐきが下がり、歯が長く見える
・歯がぐらつく感じがある
歯周病は、初期のうちは痛みが少なく、自分では気づきにくいことがあります。
そのため、症状が強くなってから受診するのではなく、定期的な歯科検診で歯ぐきの状態をチェックすることが大切です。
歯周病予防の基本は毎日の口腔ケアです
遺伝的ななりやすさが関係する可能性はありますが、歯周病予防の基本は、やはり毎日の口腔ケアです。
歯ブラシで歯の表面を磨くだけでなく、歯と歯の間の汚れを落とすことも大切です。
歯ブラシだけでは、歯と歯の間に残ったプラークを十分に取り除けないことがあります。そのため、歯間ブラシやデンタルフロスを使うことで、歯周病予防につながりやすくなります。
また、歯石になってしまった汚れは、ご自宅の歯みがきでは取り除くことができません。歯石は表面がざらざらしているため、さらにプラークが付きやすくなることがあります。
定期的に歯科医院でクリーニングを受けることで、自分では落としきれない汚れを取り除き、お口の中を清潔に保ちやすくなります。
まとめ
歯周病と遺伝の関係について、ポイントを整理します。
・歯周病そのものがそのまま遺伝するわけではありません
・歯周病の主な原因は、歯に付着するプラークです
・遺伝的な要因により、歯周病にかかりやすい体質が関係する可能性はあります
・家族で歯周病が多い場合、遺伝だけでなく生活習慣や口腔ケアの習慣が似ていることもあります
・ごくまれに、遺伝性要因が関係する特殊な歯ぐきの病気や歯周病もあります
・近年は、遺伝子診断などにより、歯周病のなりやすさについて研究が進んでいます
・「遺伝だから仕方ない」と考えるのではなく、早めの予防と定期検診が大切です
ご家族に歯周病の方がいる場合でも、必ず同じように歯周病が進行するわけではありません。
ただし、ご自身のリスクを知っておくことは、歯ぐきの健康を守るうえで大切です。
きしもと歯科医院では、歯ぐきの状態やプラーク・歯石の付き方を確認し、患者さまのお口に合わせた予防ケアを行っています。
「家族に歯周病の人がいるので心配」「自分の歯ぐきの状態を一度確認したい」という方は、早めに歯科検診でチェックしてみましょう。
歯周病は、気づいたときからのケアが大切です。毎日の口腔ケアと定期検診で、歯ぐきの健康を一緒に守っていきましょう。
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高槻市の「医療法人きしもと歯科医院」では、お口に興味を持っていただき、質の高い日常生活を送るお手伝いができればと考えています。
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