【大人特有のむし歯、「歯の根むし歯」に気をつけよう!】

「歯の根むし歯(根面う蝕)」は、大人になるとできやすいむし歯のひとつ。加齢や強すぎるブラッシング、歯周病などの影響で歯ぐきが下がり、歯の根元の「象牙質」が露出したところにできるむし歯です。

象牙質はやわらかくデリケートで、酸に対する抵抗力も弱いため、むし歯になりやすい部分。実際、歯の根元が露出した人は、そうでない人に比べて5年後に「歯の根むし歯」になるリスクが3倍も高いと言われています。

さらに「歯の根むし歯」は、自分では気づきにくく進行しやすいため、歯を失う原因にも! 日頃から歯と歯ぐきの状態に気を配り、自分に合った歯みがき習慣を継続して、「歯の根むし歯」の予防に努めましょう。

進化させよう!歯みがき習慣

歯みがき習慣は100人いれば100通り!
お口の中の状態は人それぞれ。歯の形状や歯並び、歯ぐきの状態はもちろんのこと、食習慣や体調、生活スタイル、さらに妊娠中や病気治療中などの事情によっても、お口の中の状態は変化します。

加齢に伴う変化にも気をつけたいところ。歯ぐきが下がる、唾液が減るといった大人ならではの口腔環境の変化に応じたオーラルケアを実践できていないと、「歯の根むし歯」をはじめとしたむし歯リスクを高めてしまうので、注意が必要です。

適切な歯みがき習慣は、100人いれば100通りあります! 毎日のスキンケアやヘアケアを、肌や髪の状態に合わせて変えたり工夫したりするように、歯と歯ぐきの健康を守るオーラルケアも「今の自分」に合った方法やアイテムで行うことが大切です。

気になることやちょっとした違和感があるときは、歯みがきの仕方や使うアイテムなどを歯科医院などに相談してみましょう。

 

何を使う?どう選ぶ?歯みがきアイテム

まずは「ハブラシ」。自分に合う1本はどれなのか、悩む人も多いのでは? ハブラシ選びのポイントは3つ。「使う目的」「ヘッドのサイズ」「毛のかたさ」です。奥歯がみがきにくい場合は「ヘッドの薄さ」にも注目してみましょう。

ハブラシだけでは落としきれない歯と歯の間などについた歯垢(プラーク)をしっかり除去するために、デンタルフロスやワンタフトブラシ、歯間が広い方には歯間ブラシなどの併用もオススメです。

また、毎日の歯みがきに欠かせないもうひとつの必須アイテム「ハミガキ剤」は、「使う目的」によって選ぶのが重要。「むし歯を予防したい」「知覚過敏をケアしたい」「口臭を防ぎたい」「歯を白くしたい」「歯周病を予防したい」など、目的に応じた薬用成分が配合されているものを選んでください。

家族であっても気になることや求める効果が異なるようなら、それぞれの“マイハミガキ剤”を使うのが理想的です。

「フッ化物」でむし歯のない歯を目指そう!
フッ化物には、歯の再石灰化の促進や歯質強化など、むし歯の予防に役立つ働きがあります。そのため、多くの歯科医院などでは、子どもの乳歯や生えたての永久歯に「フッ化物塗布」を実施しています。

そしてフッ化物は、子どもだけでなく、大人のむし歯予防にも有効です。実は大人のむし歯は増加傾向。25歳以上の9割以上がむし歯を経験※3している上、40歳以上の約4割は、むし歯が原因で歯を失っています。大人特有の「歯の根むし歯」も、歯肉が退縮すると男性は30歳代から、女性は40歳代から急激に増加するという報告があります。

毎日できるケアとしてオススメなのが、フッ化物配合ハミガキ剤の活用です。現在、市販されているハミガキ剤の90%以上にフッ化物が配合※6されていて、最近はフッ化物の量が従来のものと比べて多い、高濃度のフッ化物が配合※7されているハミガキ剤も増えています。パッケージにフッ化物配合濃度が記載されているので、選ぶときの参考にしましょう。

プロケア×セルフケアで適切な歯みがき習慣を!
歯みがきをするたびに、きちんとみがけているか、みがき残しはないかなどを意識することはとても大切です。

しかし、日々変化するお口の状態は、自分ではチェックしきれないことも事実です。「今の自分」に合った歯みがき習慣を身につけるためにも、歯科医院などで健診とセルフケアの指導を定期的に受けましょう。

歯科医師や歯科衛生士などプロのアドバイスに基づいた歯みがき習慣を継続することが、大切な歯とお口の健康を保つ一番の秘訣です。

 

引用:歯みがき い・ろ・は 歯の根元が露出した人はむし歯リスク3倍。|「歯の学校」 WEBで学ぶ、歯と口の健康。|日本歯科医師会 (jda.or.jp)

医療法人きしもと歯科医院